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プロジェクト

新入社員研修を社内AI普及のきっかけに。業務へのAI導入で感じた手応えと今後の展望

ダイドードリンコ株式会社

人事総務部 人財開発グループ 石原 健一朗 様

人事総務部 人財開発グループ 早稲田 拳 様

  • 消費財
  • 人事・労務

「ダイドーブレンド」で知られる清涼飲料メーカー、ダイドードリンコ株式会社。新入社員研修に「法人GAI」を導入し、非定型業務の品質を向上させた同社の取り組みと成果について、お話を伺いました。

  1. 課題

    採用や社内の研修・育成、組織風土の形成をミッションとし、
    ChatGPTの社内業務への活用方法を模索。
    最新技術を社内へ普及できるかどうかを懸念に感じていた。

  2. 解決策

    「法人GAI」を新入社員研修での社会人基礎や仮説思考の学習に活用。
    新入社員が作成するメールの評価・添削も先輩の代わりにAIがチェック。

  3. 効果

    導入1か月で非定型業務の質が向上。
    メール作成などの定型業務だけでなく、思考する時間を効率化することに成功。

ISSUE

課題

採用や社内の研修・育成、組織風土の形成をミッションとし、
ChatGPTの社内業務への活用方法を模索。
最新技術を社内へ普及できるかどうかを懸念に感じていた。

当社は、自動販売機を中心に飲料事業を展開する清涼飲料メーカーです。缶コーヒーのパイオニアとして「ダイドーブレンド」ブランドを有し、自社売上の50%をコーヒー飲料が占めています。

私たちは人事総務部人財開発グループで、採用や社内の研修・育成、組織風土の形成などの業務に携わっています。 ChatGPTに早くから興味を持ち、社内業務への活用方法について模索していました。 しかし、社内でChatGPTについて尋ねると、「知ってはいるが活用していない」という方が多く、まずは実際に社内で使ってみなければその可能性も分からないと考えました。

APPROACH

解決策

「法人GAI」を新入社員研修での社会人基礎や仮説思考の学習に活用。
新入社員が作成するメールの評価・添削も先輩の代わりにAIがチェック。

社内での普及を考えた際、研修を統括する立場から、まず新入社員研修に「法人GAI」を導入し、教育の一環の中でAIの可能性を感じてもらうことにしました。 当社では毎年約2か月間研修を行い、その集大成として、新入社員が社長や部門長へ向けた企画提案のプレゼンテーションを行います。 今年は新入社員に「法人GAI」のアカウントを付与して積極的に使用してもらい、最新技術を駆使したアイディアで、ベテラン社員を上回る斬新なアウトプットを出してもらおうと思いました。 新入社員がその高い感受性と柔軟性を活かし、AIをどのように利用したかをベテラン社員たちに共有することで、社内のAI活用が広がる起爆剤になることを期待した次第です。

“教育コストの削減だけでなく、新入社員から学びにつながる活用アイデアも”

ほかにも研修で「法人GAI」を活用した例として、新入社員が作成するビジネスメールの評価・添削があります。これまでは先輩社員が細部に至るまで直接フィードバックを行っていましたが、文章構成や文字修正など基礎的な部分はAIがサポートするように体制を整えました。 仮説思考の研修では、新入社員にはまず業務に関する質問を「法人GAI」に投げかけてもらいます。すると一般的な知識を基にした適切な回答が得られます。これを元に自分たちで仮説を立ててから、先輩社員に質問する、という仕組みに変えました。 これを繰り返すうち、新入社員は一般論や基礎知識はまず自分で調べて理解し、自分で仮説を立てた上で先輩に質問することを学びます。先輩社員も「新入社員がどうしてこんなに多くのことを理解し、質問してくるのだろう?」と真剣に向き合うことになります。この相乗効果により、結果的にAI活用が社内に広まる結果になりました。

“管理職も積極的に活用”

いまでは新入社員だけでなく、人事の管理職や社長も積極的に「法人GAI」を活用しています。 例えば、新しい経営計画を立案する際の人材ロードマップの策定や、方針のアウトラインを作る際にも「法人GAI」を取り入れています。 リーダーシップ研修の企画では、テーマやキーワード、課題を入力し、「7時間の研修プログラム項目を作成」してもらうよう依頼します。すると、「具体的な項目とタイムライン」を提示してくれるんです。 「法人GAI」の活用により、企画を全てをゼロから考える必要がなくなります。まずは大まかな構想を提出するだけで、基本的なフレームワークを作成してもらえます。その上で、詳細を詰める必要がある箇所については、「ここをもう少し詳しく調査してほしい」と指示を出すことで、それに応じた調整をしてもらえます。これが非常に便利な点です。

IMPACT

効果

導入1か月で非定型業務の質が向上。
メール作成などの定型業務だけでなく、思考する時間を効率化することに成功。

いまでは、前述した「書類作成」「メール作成」などの定型業務の効率化だけでなく、「アイデア創出」など非定型かつクリエイティブな業務の質も向上しました。 特に導入後1か月で、思考する時間を効率化できた、というのが大きな成果です。 今までは仮説を立てた上でその根拠を調べながら組み立てていたため、そもそものアイデアが変わってしまい時間を浪費することもありましたが、AIなら思いついたアイデアの論拠や手法の例をすぐに探し当て提案してくれるので、確度や質の高いアウトプットを出せるようになりました。 同様に1つの企画に対して以前は人を集めて時間を確保し、ブレインストーミングを行っていましたが、「法人GAI」の導入により、自分のアイデアを育てる壁打ち相手として活用できるようになりました。 10人でブレインストーミングの時間を1時間取っていたとすると、その役割を「法人GAI」に任せることで、9時間分の時間が節約できたという認識です。

“AIで仕事の質を高めるには継続と工夫が重要。”

AIを初めて使った時、必ずしも正確な情報や最新の情報が得られるわけではなく、ブラウザで調べる方が良いと感じることも正直多かったです。多くの人はこの段階で「あまり役に立たないかもしれない」と思うかもしれません。 AIの利用には「プロンプト(AIへの指示文)」の質が重要と言われますが、複雑な問いを立てるほど、その問いの設定が上手でなければAIを最大限に活用することが難しいということがわかってきました。 違う角度から質問をしたり、質問の順序を柔軟に変更できる人ほど、AIを効果的に使いこなし、仕事の質を向上させることができると考えています。 私は「法人GAI」の利用を開始してから約2週間が経過し、ようやくその使い方に慣れてきた感じがします。 AIを使いこなすのには、一定の時間と、多くの試行錯誤が必要でした。現在は、自分の作業をどれだけ「法人GAI」に委託できるかを考えながら仕事を進めています。 社内での更なる利用促進のために、社内コミュニティで各部署の利用事例を発信するよう推奨しています。

“「法人GAI」で業務効率化を進め、活用の幅を広げたい。”

「法人GAI」の利用により、定型業務の時間削減はもちろん、非定型業務においても質の高いアウトプットが可能になりました。将来的には、「法人GAI」を活用した社員の経験や知識を集約し、仕事の質を一層向上させていくことを目指しています。 今回の導入の主な目的は、社内でAIの利用を広めることでした。 しかし、その先に自動販売機のデータを集約・解釈し、販売戦略に活かすといった可能性も見据えています。

“AIを使えば、自分の成長が促進される”

「主体性」が求められる現代社会において、「自主学習」という言葉がよく使われますが、「主体学習」という言葉はあまり聞かれません。 「自主性」は、既に敷かれたレールの上で自分で行動するかどうかを決めるものです。一方、「主体性」は自分で新しいレールを敷くことから始まります。現在は、「誰の助けも借りずに自分で考え、自分で学習し、自分で成長する」ということを様々な状況で行わなければならない時代だと思います。 AIを活用すれば、人に教えてもらわなければ理解できなかったことでも、自分で問いを立てて深めることが可能になります。これにより、自己成長が促進されると考えています。 ただ業務をサポートするだけでなく、成長を促進するツールだからこそ弊社では研修から導入しましたが、研修以外にもAI活用の幅を広げていきたいと思っています。

ダイドードリンコ株式会社

ダイドードリンコは、配置薬業をルーツにもつ大同薬品工業(現グループ会社)の新規事業として1970年代にスタートしました。 これまで、お客様の近くに自販機という「店舗」を設け、商品の「おいしさ」と店舗を訪れる「楽しみ」をお届けしてきました。 これからも身近な場所から、お客様の楽しく健やかな暮らしを実現するためにチャレンジを続けていきます。
https://www.dydo.co.jp/

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