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プロジェクト

ChatGPTで、社内への指示文書など、工数を10分の1に圧縮。個人情報を含む面談記録も安全に要約し、生産性を向上。

インクルード株式会社

代表取締役社長 尾崎 浩一 様

  • 人材・教育・介護
  • 人事・労務

業務のDX化に未だ多くの可能性が残る福祉業界において、インクルード株式会社は最新のIT技術導入に積極的に取り組み、「AI×福祉業界のリーディングカンパニー」を目指してきました。今回は「法人GAI」導入を遂行された代表取締役社長・尾崎浩一様に、当サービスへの期待と成果、今後の展望についてお話を伺いました。

  1. 課題

    カウンセリング(面談)記録など、利用者の個人情報が含まれる大量のテキスト情報を基にした業務が多く、社員の勤務時間を圧迫していた。

  2. 解決策

    社内でITリテラシーの高い社員を中心に「法人GAI」アカウントを配布。
    自社ならではの活用方法を模索し、生成AIで業務改善を推進

  3. 効果

    従来の10分の1程度の時間で質が高い文書を"誰もが"作成できるように。
    工数削減だけでなく、業務の質向上に寄与。

ISSUE

課題

カウンセリング(面談)記録など、利用者の個人情報が含まれる大量のテキスト情報を基にした業務が多く、社員の勤務時間を圧迫していた。

私たちインクルードは、就労移行支援事業や自立訓練事業を展開してきました。特に、メンタル不調を抱える方々に対しては、社会復帰や再発予防にあたり、生活の基盤が不安定で就労が継続しにくいケースが多いことから、まず利用者の生活習慣を整えることから復職支援を行っています。

カウンセリング(面談)や日々の会話を通して利用者様とは密接にやり取りをしますので、業務上で取り扱う文字情報の記録は膨大な量です。そのため、日々の業務工数が圧迫されていました。

そこで、業務の簡素化を図るために様々なツールやデバイスの検討及び導入を試みましたが、カウンセリング記録の要約に際しては、過度に要約すると利用者の詳細情報の伝達が難しくなり、適切な要約情報を得ることが困難でした。また、これらの情報はすべて個人情報であるため、情報漏洩などのセキュリティ面を気にしていました。

そんな中、ChatGPTのリリースを知り、業務効率化の一助となると考え、早期に役員間での試用を開始しました。しかし、入力した情報がAIの学習に利用される点から、個人情報を多く取り扱う当社には適していないと判断しました。また、ある程度レギュレーションを整備しないと、広く使われないだろうという懸念もありました。

このような状況の中、「法人GAI」を知ったのは、当社役員がプレスリリースを目にしたことがきっかけでした。セキュリティ面はもちろん、管理のしやすさが決め手となり導入を即決しました。まずは導入することから始め、ツールに慣れることを優先しました。面談記録への活用は将来的な目標としています。

APPROACH

解決策

社内でITリテラシーの高い社員を中心に「法人GAI」アカウントを配布。
自社ならではの活用方法を模索し、生成AIで業務改善を推進

導入後しばらくは、社内でITリテラシーの高い社員たちに様々な使い方を試してもらいました。具体的には各事業所のマネージャーと、開発部門でマーケティングや新店開発に携わる人たちです。ChatGPTを業務に利用するスタッフを増やしていき、活用のアイデアを探りました。

実際、いくつか法人GAIを活かせる業務が見つかりました。例えば、行政機関に提出する書類の作成が挙げられます。福祉サービス分野で新しい店舗を立ち上げる際には、その場所での開設理由など、行政機関に提出する様々な書類を作成する必要があります。これまでは、書類を一から作成していましたが、人によって文章表現にばらつきがあり、作成とチェックに多くの時間を要していました。

また、定期的に発行するメールマガジンの作成もあります。人によって文章作成の得手不得手があるため、ツールによるサポートは大きな価値を持ちます。

最後に、アイデア出しです。例えば、利用者が問題を抱えている際に「こういう方法がありますよ」という解決策を提案するのに使用します。これまでは各スタッフの経験や知識に依存していましたが、それだと時間がかかり、提案のバリエーションに限りがありました。

IMPACT

効果

従来の10分の1程度の時間で質が高い文書を"誰もが"作成できるように。
工数削減だけでなく、業務の質向上に寄与。

先ほど述べた文書作成では、法人GAIに対して作成したい文書の概要を与え、文章を成形してもらっています。主に社内広報や利用者への通知文などを作成しており、その質が常に保証されているため非常に便利です。これまで時間がかかっていたチェックとレビューのプロセスが、1回のみで完了するようになり、大幅な工数削減に繋がっています。特にメールマガジンの作成では、従来の工数を約10分の1に削減できました。

さらに、面接用の質問や授業のアジェンダ作成にも役立てています。特に面接での活用においては、法人GAIに面接官の設定を与え、履歴書に基づいた質問を作成させています。基本的なことでも見落としがちな点に気付かせてくれたり、新しい視点を提供してくれたりするのが大変便利です。

また、一部の役員は新規事業のアイデアを法人GAIに投げかけ、そのフィードバックをもとに事業構想をさらに発展させています。

生成AIの導入による仕事の変化は十分に実証されましたので、今後は社内体制の再構築に取り組む必要があります。単純な業務は積極的にAIに委ねて、働きやすい環境を自社内で構築したいと考えています。そのためにも「法人GAI」をもっと使いこなせる環境づくりを進めていきたいです。

インクルード株式会社

「ソーシャルインクルージョン(*1)を実現し、全ての人が活躍する社会を創る」をミッションに掲げるインクルード株式会社様は、精神障害やメンタル不調を持つ方々の安定就労を目指した就労移行(復職)支援、自立訓練(生活訓練)などの事業を展開しています。
科学的根拠に基づく生活習慣改善プログラム「ブレインフィットネスプログラム」や、認知行動療法に基づく「FITプログラム」に代表されるサービスの導入で、利用者の職場復帰後6か月以上の定着率は91.4%と高い実績を誇り、同社独自の”寄り添う支援”が各界から注目を浴びています。
*1 「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という概念

  • インクルード株式会社
    代表取締役社長

    尾崎 浩一

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