Microsoft 365 Copilot実践型研修で利用者が100名から600名以上に増加!一人当たり7.5時間/月の業務時間削減を実現

株式会社インテック
技術戦略本部 テクノロジー推進部 部長 金平 剛 様
管理本部 情報システム部 部長 長井 真哉 様
株式会社インテックは、1964年の創業以来、情報化戦略の立案からシステムの企画、開発、アウトソーシング、サービス提供、運用保守まで、IT分野において幅広く事業を展開しています。世界に59社を擁するTISインテックグループの中核企業として、『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、社会課題の解決に取り組んでいます。
今回は、同社のMicrosoft 365 Copilot(以下、Copilot)推進を担う金平剛様と、長井真哉様に「Copilot導入後の活用促進の取り組み」についてお話を伺いました。
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課題
Copilot導入目標300ライセンスに対し、利用希望者が100名。
また、利用率は30%程度。費用対効果への懸念から利用促進が急務。 -
解決策
Copilotの使い方がわからないため利用が進まない課題に対して、「Microsoft 365 Copilot活用支援・研修」を導入。
現場の利用状況に合わせて、各回でTeams、Word、PowerPointなど異なるアプリケーションに特化したカリキュラムをスピーディーに実施。 -
効果
全6回の研修・ワークショップに、各回平均70名、のべ470名が参加。Copilot利用者が100名から600名以上に増加。また、利用率が30%から50%超に上昇。一人当たり7.5時間/月の業務時間削減を実現し、参加者からは活用意欲の高い評価を得た。
課題
Copilot導入目標300ライセンスに対し、利用希望者が100名。
また、利用率は30%程度。費用対効果への懸念から利用促進が急務。

創立60年を迎え、IT分野において幅広く事業を展開する同社はさらなる事業拡大に向けAI活用に注力している。
生成AI活用への取り組みとCopilot導入の背景
生成AIの活用は、管理本部 情報システム部と技術戦略本部 テクノロジー推進部の両部署が連携して推進している。管理本部 情報システム部 部長の長井様は、同部のミッションについて次のように語る。
長井様:
私たちのミッションは、社員がネットワークに接続し、様々な社内システムにアクセスして、円滑に業務を遂行できる環境を総合的に整備することです。
一方、技術戦略本部 テクノロジー推進部 部長の金平様は、AIを基軸とするコア事業の拡大を推進する立場にある。
金平様:
私は、今年3月まで情報システム部で生成AI導入に携わってきました。その経験を活かし、現在はテクノロジー推進部にて新たなミッションに取り組んでいます。
私のミッションは、コア事業の拡大です。現在は、AI活用の浸透による事業拡大に注力しています。長井との違いは「業務を変革し、売上を上げること」に注力している点です。
インテックでは、2023年春からAzure OpenAI Serviceを活用したChatGPT環境をほぼ全社員に提供しており、週次で約1,500名が利用している。また、2023年12月には、RAGを用いた社内FAQシステムサービスも展開した。
金平様:
ChatGPTの利用率は徐々に伸び、日常的に使われるようになりました。しかし、生成AIをさらに活用するには、従業員が日々利用する Microsoft Office(以下、Office)製品の業務効率化が不可欠です。そこで、Copilotの導入を決めました。3年以内に全従業員が日常的にCopilotを利用する状態を目指しています。
Copilot導入における課題:利用希望者の少なさと活用の停滞
金平様:
Copilotのライセンスを付与する際に、挙手制で募集をかけていました。推進チームの目標は、「2025年3月末までの300ライセンス導入」となっています。しかし、実際の利用希望者数は、僅か100名ほどに留まりました。当初はCopilotへの期待が高かったのですが、現場の社員からは『使い方がよくわからない』『どうやって使ったらいいのか』という声が多くあり、具体的な利用シーンを明確にすることが希望申請を増やすうえで課題となりました。
長井様:
例えばChatGPTのようなチャットツールは、具体的な使用方法を説明しなくても、ユーザーは容易に理解し、自主的に活用を始めます。一方、Copilotの場合は、ツールが目の前にあっても『さて、何をしよう』と途方に暮れてしまうユーザーが少なくありません。
金平様:
また、ライセンス配布開始から5ヶ月後の24年7月からは各事業部負担に切り替わることに決めていました。そのため、未使用ライセンスは事業部にとってコストになるため、全従業員が日常的にCopilotを利用する状態を目指すことを踏まえると、Copilotを使いこなせる従業員を増やし費用対効果を実感してもらうことが急務でした。加えて、希望制での配布なので『ライセンス数=アクティブユーザー数』を想定しています。しかし、先行して応募した100名のうち、実際に利用していたのは3人に1人。この状況に、我々は強い危機感を抱いていました。使い方を広め『Copilotを業務で使う』ことに馴染めるような土台作りの必要性を感じました。
解決策
Copilotの使い方がわからないため利用が進まない課題に対して、「Microsoft 365 Copilot活用支援・研修」を導入。
現場の利用状況に合わせて、各回でTeams、Word、PowerPointなど異なるアプリケーションに特化したカリキュラムをスピーディーに実施。
金平様:
当初は日本マイクロソフト社に相談し、eラーニングを提案されました。しかし、eラーニングは能動的な学習コンテンツなので、実際にはなかなか視聴されない懸念がありました。『時間があれば』と多くの社員は思っていても、自ら時間を確保するのは難しい。ならば、こちらで時間を確保し、実際に手を動かして理解を深めてもらう。そのために、ワークショップ形式の研修をギブリーに依頼しました。
ワークショップ形式の研修を提供している他社の存在も認識していましたが、実際には他社との比較は行っていません。 通常であれば慎重に比較検討を行いますが、ギブリーについては以前から認知しており、生成AI分野での豊富な実績や知見、さらに日本マイクロソフト社とのパートナーシップの信頼性を考慮し、安心してお任せできると判断しました。また、Copilotの利活用をスピーディーかつ実践的に進めたいと考えており、その要望に応じた柔軟なカリキュラムを提案いただけた点も、依頼を決める大きな理由の一つとなりました。
この決断は、迅速な研修開始とニーズに最適化されたカリキュラムという2つの大きな効果をもたらした。ギブリーは、インテック様向けに全6回の特別カリキュラムを設計。多くの企業が1~2回の生成AIやCopilotの基礎研修を実施することが多い中、実務で使いこなせることを目的に各回で異なるアプリケーションに焦点を当てた実践的な内容を展開した。

金平様:
実際にワークショップが始まるまでもかなり短い期間でスタートできましたし、我々の状況や人数に合わせて、コースを調整していただきました。基礎知識から各アプリケーションを横断的に活用するノウハウまでを盛り込み、「実務で活用できること」を重視しました。
長井様:
今回のワークショップは、当初、既にライセンスを申し込み済みの、いわば "アーリーアダプター" を対象としていました。やはり、初期段階で自ら手を挙げた社員を『業務で効果を出し、周囲に良い影響を与える人材』として早期に育成することが、組織全体の活用を推進する上でも最優先事項だと考えたのです。
効果
全6回の研修・ワークショップに、各回平均70名、のべ470名が参加。Copilot利用者が100名から600名以上に増加。また、利用率が30%から50%超に上昇。一人当たり7.5時間/月の業務時間削減を実現し、参加者からは活用意欲の高い評価を得た。
かくして行われたワークショップだったが、その成果は非常に大きかった。
長井様:
ワークショップの中で、Office製品を活用したCopilotの実務利用に的を絞ったこと、そして実際に手を動かし、分からないことがあれば講師にすぐ聞ける環境を用意できたことが、今回の成功につながったと思います。利用率もワークショップを実施する前は 30% 程度でしたが、現状は 50% を超えてきています。以前は『Copilotへの期待度は高いけれど、業務のどこに使えるのか具体的に分からない』といった声がありましたが、それに対して一定の答えを返せた証拠だと感じています。
事後アンケートの結果は、研修の有効性とCopilotへの期待の高まりを示している。
金平様:
『日常業務で試したい』と回答した人は100%、『同僚に勧めたい』という回答も100% でした。さらに、時間削減効果については、平均で一人当たり7.5時間/月という結果を得られました。本ワークショップを通じて、周囲にCopilotの活用を勧めたいという思いが強くなり、業務工数の削減効果も実感できました。定性的な効果だけでなく、定量的な効果も確認できたことで、意欲的に取り組む従業員にとって、非常に有意義な研修であったと確かな手応えを感じています。研修実施が導入に弾みをつけ、『2025年3月末までに300ライセンス導入』という目標の達成に至りました。
ワークショップの参加者からは、実践形式のカリキュラムと講師の専門性に対して、特に高い評価が寄せられた。
長井様:
カリキュラムは前半が講義形式、後半が実際にCopilotに触れてみるワークショップという構成でした。この『触れてみる』という体験を持てたことが非常に良かったと思います。さらに、ただマニュアルを見せて触ってもらうのではなく、講師の方が非常に丁寧に説明してくださり、随時質問が出たときにもすぐフォローしていただけたことで、安心感、信頼して触っていける環境が提供できました。私たちがフォローすると、曖昧な回答になってしまうところを、信頼できる講師の方に対応いただけたことがすごく良かったと思います。
今後の展望
長井様:
今後に向けて、『実際に触ってみる』という機会をどんどん増やしていきたいと考えています。参加者のアンケートでも、『もっと触る時間が欲しかった』という意見があるほど、非常に意欲的でした。時間の制限もありましたが、実際に触ってどう動いたか、それに対して出た質問などをフォローしながら、利用者にとっての定着化、使う際の勘所を養っていきたいと考えています。
金平様:
Copilotの機能自体はまだ改善途上、成長段階という認識です。当社も同様で、あくまでも「Copilot」の使い方がようやく理解できた段階であり、確実な時間短縮や品質向上、業務フローを変革するほどの成果を出せてはいません。
研修については明確なゴールを設定するというよりも、ツールの進化と使用者側の成長を同時に進める過程として捉えています。この現状を正しく理解していただきたいというのが本音です。
現在は希望する社員が申請して使用している状況ですが、今後は全社に向けて単に「使ってください」と呼びかけるだけでなく、キラーコンテンツと呼べるような、確実な時間短縮や品質向上につながる活用方法、効果的なユースケースを提示していきたいと考えています。
まずは営業部門での活用を促進するため、具体的な働きかけを行い、積極的な導入を進めていきたいと考えています。既に首都圏の営業メンバーへの展開を開始しています。

株式会社インテック
株式会社インテックは、1964年の創業以来、情報化戦略の立案からシステムの企画、開発、アウトソーシング、サービス提供、運用保守まで、IT分野において幅広く事業を展開しています。世界に59社を擁するTISインテックグループの中核企業として、『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、社会課題の解決に取り組んでいます。
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