清水建設が全社員向けに「法人GAI」を導入し生産性向上!建設業界のDXを牽引するリーディングカンパニーを目指す。
清水建設株式会社
デジタル戦略推進室 DX推進部 主査 中村 壮吾 様
デジタル化企画部 企画グループ長 坂口 優太 様
2024年に創業220年を迎える清水建設株式会社様は、国内85ヵ所・世界20ヵ国以上に拠点を持ち、建設事業(建築、土木、海外建設)を柱に、非建設事業である不動産開発、エンジニアリング、LCV(ライフサイクル・バリュエーション)、フロンティアの4分野でも事業を展開しています。建設事業では浅草寺や首里城など歴史的建造物から、麻布台ヒルズなど高層ビル、土木では八ッ場ダムを手がけていることで知られます。
同社は、お客様と社会のニーズに応えるため、常に新しい知識や技術を追究してきました。今回はデジタル戦略推進室で全社のDX推進を担当し、法人GAI導入をリードした中村壮吾様、坂口優太様に、大手総合建設会社における生成AIへの取り組みと法人GAI活用について、お話を伺いました。
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課題
長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を達成するための業務DXを推進するために、生成AI導入をはかるも、セキュリティや利用シーンの特定に課題を感じていた。
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解決策
生成AI導入をスピーディーに実現するため「法人GAI」サービス導入を決定。盤石なセキュリティ機能と豊富な企業事例から自社での活用イメージを膨らませ、社員へスムーズな導入をはかる。
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効果
プログラミング、アイデア出し、資料・文書作成などの業務で圧倒的な業務効率化を実現。法人GAI活用で「これまでできなかったことが、できる」手応えを実感。
課題
長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を達成するための業務DXを推進するために、生成AI導入をはかるも、セキュリティや利用シーンの特定に課題を感じていた。
坂口様:
当社は1804年に創業し、1990年代までは主に建設事業を中心に事業を発展させてきました。
建設事業の内容は、①オフィス、工場、学校、病院など多岐にわたる建物の企画提案、設計、施工、運営・維持管理、②トンネルや橋梁、ダムや都市土木、エネルギー施設など土木構造物の設計、施工、リニューアル、③海外60カ国での施工事業です。
中村様:
当社は常に、お客様や社会のニーズに応える「誠実なものづくり」をモットーとしています。資材高騰など外部環境の変化、技術革新にも対応するため、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」では新たな収益基盤の確立に向けた非建設事業分野に注力しています。
収益構造では2018年度、建設事業が売上利益の90%を占めていましたが、2030年度には全体利益を50%向上させた上で、非建設事業の利益比率を35%に進捗させる目標でいます。
坂口様:
当社の長期ビジョンである「SHIMZ VISION 2030」を達成するための重要課題の一つが、業務のデジタル化です。
当社は「ものづくり(匠)の心を持ったデジタルゼネコン」を目指してきました。これまで培ってきた「ものづくり」の豊富な経験に最新技術を取り入れ、いわばデジタルとリアルのベストミックスを追求することで、建設業界のDXをリードしていきたいと考えています。
中村様:
デジタル戦略推進室では業務のデジタル化として、従業員がいつ、どこでも安全に業務を行うことができる、ものづくりを支援する環境の提供を念頭に、「業務システム基盤」「データマネジメント基盤」「インフラ基盤」の構築を進めています。生成AIにも早くから注目しており、2023年の2月の段階で特定業務における生成AI活用を検討していました。しかし、情報セキュリティも考慮した全社としての生成AIのガイドライン、及び環境整備が急務となり、こちらを優先して行うことになりました。
まず無償で利用可能な汎用的な生成AIは学習に使われるリスクがあることから利用禁止としました。
一方で、経営層からの生産性向上の期待や、社員アンケートからの利用要望が非常に多かったこともあり、急ピッチで安全・安心して利用可能な生成AIの導入に着手しました。
導入に際しては、建設事業では業務が多岐に渡るため、利用方法の定型化が困難、また利用者によってはプロンプトをうまく使いこなせず、利用率が伸びないのではないか、という懸念もありました。
解決策
生成AI導入をスピーディーに実現するため「法人GAI」サービス導入を決定。盤石なセキュリティ機能と豊富な企業事例から自社での活用イメージを膨らませ、社員へスムーズな導入をはかる。
坂口様:
当初は自社で専用環境を構築することも検討していたのですが、自社開発より「法人GAI」のようなパッケージ型のSaaSサービスを適用した方が、黎明期でアップデートの多い生成AIのビジネス活用においては適していると判断しました。先に挙げたセキュリティの面で信頼できるサービスを探していたところ、「法人GAI」を含め複数のサービスが候補に上がり、ギブリー担当者から説明を受けることとなりました。盤石なセキュリティ機能、ユーザーインターフェースの使いやすさといった特徴がよく理解でき、他社の導入事例から当社での使い方のイメージも膨らませることができました。
細かく検証した結果、それらの機能が要件を満たしていたこと、更には営業やカスタマーサービスの信頼性、価格面が決め手となり「法人GAI」を全社に導入することを決定しました。
中村様:
全社への「法人GAI」導入に際しては、ギブリー担当者の意見や提供頂いた資料も参考に、事前のルール作りを徹底しました。特にセキュリティや著作権等では利用者の使い方次第でリスクとなるため、生成AIの利用ガイドラインを整備すると共に、利用前に必ず見てもらう教育動画を準備し、生成AIのリテラシー向上に努めました。また、利用率を上げるためにマニュアルの整備や、プロンプトのノウハウ集などの資料も整備し展開しました。
坂口様:
法人GAIの利用方法等の発信については、社内HPで発信するだけでなく、社内SNSも活用しました。展開したときには既に法人GAIのSNSグループが社内の有志で作られ、自発的にプロンプトの共有が行われ始めていました。議事録の要約、アイデア出し、プログラミングなど多種多様な業務で、どのようなプロンプトを使ったのか、様々な活用方法が寄せられました。その中に私たちも加わり、情報発信や社内ニーズの確認に活用しています。
経営層も社員が業務内でどのような使い方をしているかに関心を寄せており、デジタル戦略推進室では現在、これらの幅広い利用実績からデータを分析し、より活用してもらうための啓蒙活動に活かそうとしています。
効果
プログラミング、アイデア出し、資料・文書作成などの業務で圧倒的な業務効率化を実現。法人GAI活用で「これまでできなかったことが、できる」手応えを実感。
坂口様:
「法人GAI」を利用した社員からは続々とポジティブな感想が寄せられています。例えばシステム担当者からは、「Pythonプログラム生成にかかる時間が圧倒的に削減できた」と聞きます。「プログラムやマクロ生成に1週間かけてもできなかったことができるようになり、コード生成も他人に依頼していたものが自分で作成できるようになった」、「VBAによる業務自動化に3時間かかっていたことが30分程度で実現できた」と具体的な結果が出ており、サービス導入の手応えを感じます。
システム以外の部門から共通して上がっているのは、①アイデア出しと、②資料・文書作成の効率化です。①のアイデア出しでは、事前に「法人GAI」を用いて豊富な案を準備した上でディスカッションができるようになったようです。他には、「各種業務の企画段階で一般的に考え得るアイデアを確認できた」、「上司に質問する際、事前に法人GAIに質問をすると効率がよくなった」という声が寄せられました。
②の文書作成は、最も取り組みやすい「法人GAI」の活用例です。これについてはどの部門からも「想像していた以上に誤字、脱字が無く、適切な文章表現ができて便利」、「メール、文書作成の作成時間がおよそ半分以下に削減できた」と聞いています。
中村様:
導入がスムーズに行えたのは、ユーザー教育の効果だと思います。動画によるガイダンスと、マニュアル整備が奏功しました。今後も新機能については積極的に告知を行い、それに併せてマニュアルやガイドラインも更新していきたいと考えています。また法人GAIの便利な使い方の周知やプロンプトレシピ機能の活用も促進していきたいと思います。
坂口様:
生成AIは、当社のDXを実現するための、必須のデジタル技術だと考えています。さらに多くの社員が生成AIを活用できるよう、継続的に研修も行うことで、リテラシー向上に努めていきます。今後は、データ連携の有用性も検証し、当社業務により適合できる専用環境の構築も検討してまいります。
清水建設株式会社
清水建設株式会社様は1804年設立、2024年に創業220年を迎える総合建設会社です。国内85箇所・世界20カ国以上に拠点を持ち、建設事業(建築、土木、海外建設)を柱に、非建設事業である不動産開発、エンジニアリング、LCV(ライフサイクル・バリュエーション)、フロンティアの4分野でも事業を展開しています。創業時より「誠心誠意、心を込めて仕事に取り組み、良いものをつくって信頼されること」を第一に、お客様と社会のニーズに応えるため、常に新しい知識や技術を追究しています。
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デジタル戦略推進室 DX推進部 主査中村 壮吾 様
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デジタル化企画部 企画グループ長坂口 優太 様
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